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小谷村のイタヤカエデ樹液から国産メープルシロップ!
こんにちは!小谷(おたり)村集落支援員の田辺です。
全国各地では桜が満開だというのに…小谷村の桜はまだ咲く気配がありません。
それどころか今日(4月9日)は雪が降っています(;´Д`)
これから花見を楽しみたい方は、是非白馬小谷方面へお出かけください。
ところで、カナダで有名なメープルシロップ、実は日本でも作れることはご存知でしょうか。
最近私の地区では冬の時期になるとカエデの樹液を採取する取り組みを行っています。
名付けて「小谷樹液プロジェクト」!!
とっても壮大な感じのタイトルですが、実際は地区の人たちが集まり、近所にある「イタヤカエデ」の樹液を採取し、樹液を煮出して紅茶を作ったり、煮詰めてメープルシロップを作ったりしています。
最終的には地域の産業を生み出すことや、森林の保全につながる活動につなげていきたいとの思いでみんな頑張っています。
私もカナダに住んでいた時期もあり、カナダ産のメープルシロップはよく知っていますが、国産のメープルシロップは初めて!
初めて飲んだ時の感想は…
カナダのメープルシロップよりだいぶん薫りが違う?
っていう驚きがありました!
それもそのはず、カナダ産のメープルシロップは主に「サトウカエデ」という種類のカエデから採取されており、小谷村の「イタヤカエデ」とは樹種が違います。
そもそもカエデには、かなり多くの種類があり、日本には約26種類のカエデがあると言われています。
秋に真っ赤に紅葉する「モミジ」もカエデの一種です。
イタヤカエデだけでなく、白樺や、クルミの木からも樹液は採取できますが、小谷村の私たちの地区にはイタヤカエデが多く自生していたので、今はとりあえずイタヤカエデの樹液のみを採取しています。
樹液の採取方法は、冬のはじめの方、まだ雪がそんなに積もっていない間に、カエデの樹に穴を開け、パイプとポリタンクをセットしておきます。
で、あとはそのまま放置!
肝心の樹液が出始めるのは、2月以降からです。
何でもこの樹液、樹にとってはとっても重要な液であり、自分自身を凍らさないようにする「不凍液」の役目を果たしているんですって!
冬の真っ最中は樹の中にしっかりとどまっていて、2月以降のちょっとずつ暖かくなり始めたころ、樹液が外に出てきます。
私たちは、その不凍液をちょっとだけお裾分けいただいている状態。
樹液の出る時期は気温や日当たりによっても様々なので、まだはっきりとしたことは言えませんが、樹液を採取する時期によって、樹液の質が変わってくるという事は、今年の冬判明しました。
樹液を煮詰めてメープルシロップにした画像です。
色が全然違います!
2月の中旬に採取したメープルシロップは黄金色で、とっても綺麗な色をしていますが、3月後半のは真っ黒で、あまりおいしそうではない・・・(;´Д`)
後半は樹液自体の糖度も低く、かなり煮詰めないと糖度も出ませんでした。
ちなみに、この瓶7本分のメープルシロップを煮詰めるのに要した樹液は400リットル位だったと思います。
カエデの樹液400リットル…。途方もない量ですね(;´Д`)
残念ながら小谷村のメープルシロップはまだ販売等はしていないのですが、日本国内ですでにカエデの樹液を採取し、商品化している地域もいくつかあるようです。
その一つが埼玉県秩父市にある「Maple Base」。
先月、ちょっと偵察へ行ってきましたー!
おしゃれな店内、パンケーキもかわいいー、おいしー( *´艸`)
ブログの題名おしゃれパンケーキにしなかったことを後悔…orz
この日は残念ながら秩父産のメープルシロップは売り切れていたのですが、それでも秩父のメープルシロップが入ったメープルサイダーや樹液の紅茶、おいしくいただきました!
店内の案内にもあるのですが、カエデ樹液の採取と森林の保全活動、地域の方々との連携、すべてがセットになっていて、素晴らしい取り組みだと感じました。
Maple Baseさんのオフィシャルサイトはこちら
http://tapandsap.jp/maplebase/
小谷村でも、秩父市のように地域の人々と植林活動や森林保全を考えながら、カエデ樹液の商品化に向けて考えていけたらいいなと感じました。
こればかりは地域の考えもあることだし、まだまだ道のりは長いですが…(;´∀`)
今は頑張って樹液を採取し、データを採っているところです!
いつか、国産のメープルシロップが当たり前になり、スーパーでもコンビニでも、国産のメープルシロップが買えるような社会になったら嬉しいです( *´艸`)